睡眠不足
睡眠中は、全身の細胞から成長ホルモンが分泌され、一日の活動の中で傷ついた臓器や筋繊維を修復し、皮膚や粘膜、また免疫細胞の新生を促しています。
睡眠時間が減れば、当然成長ホルモンも不足し、体の回復力が低下。
免疫細胞の数も足りなくなって免疫力がダウンし、病気にかかりやすくなってしまいます。
ストレス
心身へのストレスを継続的に受けていると、自律神経のうちの交感神経にスイッチが入りっぱなしになり、体内でノルアドレナリンやアドレナリン、コルチゾールといった「ストレス対抗ホルモン」が分泌されます。
これらのホルモンは、血管を収縮させたり、免疫細胞の機能を低下させたり、数を減らしたりと、免疫力を大幅にダウンさせる原因に。
かといって、心身をリラックスさせる副交感神経ばかりが盛んに働いているのも問題で、今度は免疫細胞が増え過ぎ、異物に対して過剰に攻撃を仕掛けるようになり、アレルギー反応が起こりやすくなるといわれています。
ストレスとリラックス、交感神経と副交感神経のバランスを保つことが重要です。
偏食・ダイエット
食事でバランスよく栄養を摂取し、体全体のパワーを高めてこそ、免疫力もアップします。
タンパク質やビタミン、ミネラルは元気な免疫細胞をつくったり、システムを正常な状態に保つために欠かせないもの。
偏食やダイエットなどで低栄養になると、いざというときに免疫システムが機能しなくなります。
一方、肉食などで高脂肪・高タンパクに偏った食事を続けていると、腸内に悪玉菌が大増殖!
有害物質を発生させたり、粘膜を傷つけて病原体の浸入を招いたりと、免疫力の低下につながります。
紫外線
目に見えないけれど、皮膚の内部にまで届き、細胞を傷つけて老化を招く紫外線。
肌の老化が進むと、細胞同士に隙間が空いたり、乾燥しやすくなったりして、皮膚のバリア機能が低下します。
また、紫外線は体内にも過剰に活性酸素を発生させ、細胞をガン化させるなど、免疫力にとっては大打撃。
UVケアも心がけ、紫外線を浴び過ぎないようにすることが大切です。
冷え
免疫力は体温によって左右されるもの。
免疫細胞は37度前後で活発に働くといわれ、低体温だとパワーダウンしてしまいます。
一方、風邪やインフルエンザのウイルスにとっては、25度前後が快適な環境。
体を冷やすと、本来持っている免疫力を低下させるばかりか、病原体を勢いづかせることに。
風邪などで熱があるときも、安易に解熱剤に頼ると免疫反応に支障をきたし、結果的に免疫力が落ちるともいわれています。
抗生物質の多用
ペニシリンに代表される抗生物質は、さまざまな感染症を起こす微生物の増殖を抑える薬ですが、むやみに多用するのはNG。
私たちの免疫システムは、万一病原菌に侵入されても、体内で攻撃する特定の武器(抗体)を作り、その後同じ病原菌が侵入してきても、すぐに反撃できるようになってしまいます。
ところが、抗生物質で病原菌を殺してしまうと抗体が完成せず、何度も同じ病原菌の浸入を許すことに。
また、病原菌が抗生物質に対して抵抗力を持つ「耐性菌」にバージョンアップすると、今度は抗生物質さえ効かなくなってしまいます。
高熱が続く、激しい下痢が続くなどでどうしても必要な時以外は、なるべく自分の免疫力で闘いたいものです。